Webマーケティングとは自社商品やサービスの営業を行わなくとも、集客・売上・利益を上げるための仕組み作りを、Webサイトなどのインターネット上で行うことを言います。近年ではモノとインターネットをつなぐIoTやスマートフォンアプリ、これまでの情報を集めたビックデータを利用し分析やターゲティングができるとして、
デジタルマーケティングとも呼ばれています。
アメリカのWebマーケティングは市場の巨大さや、さまざまな人種が混在していることで細かくターゲティングしなければならない事情もあり、世界的に見ても2~3年先を行く最先端を進んでいると言われています。
アメリカをターゲットにしWebマーケティングを行っていこうと考えている方にとっては、「具体的にアメリカのWebマーケティング事情はどういうものだろう」と把握していない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はアメリカの「Webマーケティング事情」や「Webマーケティングで成功するためのコツ」などについて紹介していきます。
具体的には、
- アメリカのWebマーケティングを行う上で把握するべきこと
- アメリカでの人気のWebマーケティング
- アメリカで人気のSNSランキング5選
- アメリカのWebマーケティングで成功させる3つのポイント
について徹底解説していきます。
アメリカのWebマーケティングを行う上で把握するべきこと
Webマーケティングは実店舗で販売・宣伝を行うよりも、少ない労力で数多くの人まで大きな効果を得ることが可能です。しかし同じWebマーケティング方法だとしても、国や地域、性別や年齢などターゲットの違いや商品・サービスによっては、その効果が出るとは限りません。このことをまず前提とし、アメリカの場合はどのようなことを理解した上でWebマーケティングを行っていけばいいのか解説していきます。
市場競争が激しく大きいため、日本とマーケティング手法は異なる
アメリカのマーケティングは日本と比べると、2~3年先を進み、競争が激しいと言われています。その理由は多数ありますが、基本的には国・地域の大きさ、多様な人種や文化・価値観などが混在していること、巨大な市場規模という点があげられます。そのため同じマーケティング手法を全米で行ったとしてもターゲットに響かず、人種や地域性に合わせたマーケティング手法を生み出していくしかないのです。またIT分野でも技術の高さや知識量も最先端を行っているので、アメリカ発のWeb・デジタルマーケティング手法が多く生まれています。
若者のスマートフォン所有率が高い
世界のインターネット端末調査として、アメリカの調査会社Pew Research Centerの2018年に発表した調査内容を見てきます。前提としてスマートフォンなどのデジタル端末を利用している国・地域は、収入が高く教育レベルが高い傾向があります。そのためランキング上位に来ているのは、新興国よりも先進国の方が高いのです。具体的にどのような順位になっているのか紹介していきます。
参考:Pew Research Center Global Attitudes & Trend
https://www.pewresearch.org/global/2019/02/05/smartphone-ownership-is-growing-rapidly-around-the-world-but-not-always-equally/
スマートフォンやガラケー(従来型の携帯電話)などの携帯電話端末の普及率は第1位が韓国(100%)、続いてイスラエル(98%)オランダ(98%)、スウェーデン(98%)となっています。第6位にアメリカとオーストラリア(94%)が同率で、日本は第13位(88%)です。
続いてアメリカのスマートフォン利用者は81%、ガラケーは13%、18歳~34歳の若年層が95%、50代以上が67%となっています。一方で日本のスマートフォン利用率は66%、ガラケー26%、18歳~34歳の若年層が96%、50代以上が44%です。日本もアメリカも若年層のスマートフォン利用率は非常に高いものの、利用者数や普及率は圧倒的にアメリカが勝っています。
SNS利用人口は世界一を誇る
SNSの利用人口は世界的にみても、圧倒的1位を誇っているのがアメリカです。SNSに費やしている時間は日本が平均30分に対し、アメリカは2時間と大きな差をつけています。年齢層が高くなればSNS利用者も減少していくのはもちろんですが、アメリカでは60歳以上の人もFacebookやTwitterなどを利用している人が多く存在するのが特徴です。
参考:DIGITAL 2019: GLOBAL DIGITAL OVERVIEW
https://datareportal.com/reports/digital-2019-global-digital-overview
検索エンジンは圧倒的にGoogle
アメリカでもっとも多く使われている検索エンジンは、アメリカ発のGoogle(88.4%)です。第2位以降はbing(6.4%)、Yahoo!(3.07%)DuckDuckGo(1.76%)と10%以下に急激に下がっています。FacebookやYouTubeなどSNSアプリを利用しないでログインや閲覧をする場合は、検索エンジンを利用することもあるため、利用率を大きく後押ししていると言えます。
参考:StatCounter Global Stats「Search Engine Market Share United States Of America」
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/desktop/united-states-of-america
アメリカでの人気のWebマーケティング
Webマーケティングには数多くの種類が存在し、日々より新しい手法が生み出されています。その中でもアメリカで人気のWebマーケティング手法を4つ紹介していきます。それぞれどのようなマーケティング手法なのか、見ていきましょう。
リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した際に、記事よりさらに上に広告が表示されるのが「リスティング広告」です。ユーザーがキーワードを入力(検索)して広告を表示させる状態に持っていくため、検索連動広告とも呼ばれています。基本的にはユーザーが広告をクリックすれば広告費用が発生する仕組みになっています。リスティング広告を出す場合は、アメリカで9割程度と利用率が高いGoogleでの広告効果率が高いと言えます。
インフルエンサーマーケティング
YouTubeであればユーチューバー、Instagramであればインスタグラマーのように、SNSのフォロワー数を数十万人・数百万人・それ以上と多く抱えるインフルエンサーを起用したのが「インフルエンサーマーケティング」です。
フォロワー数の多いインフルエンサーに企業が依頼し、チャンネルに投稿されている動画に馴染むように商品やサービスの紹介を行って、フォロワーに購買の誘導や認知度を高めることができます。
動画マーケティング
自社のWebサイト、SNSなどあらゆるコンテンツで動画を使った「動画マーケティング」が実施されています。BtoC向けだけでなく、BtoBや求職者向けなどとターゲットに合わせたコンテンツを配信しています。商品・サービスの宣伝や説明をする際には新聞・雑誌・Webサイトなどテキストで行うよりも、動画の方が5,000倍の情報量を与えると言われています。そのため動画コンテンツを使って認知度の向上や商品購買へと導く魅力的な情報を配信することが可能です。
また日本よりも先駆けして、アメリカでは2018年に5Gのサービスが開始されました。そのためWebサイトでの広告よりも、動画広告の方が今後さらに普及していくと予想されます。
バイラルマーケティング
「バイラルマーケティング」とは英語の「viral(バイラル)」から来ており、ウイルスのように広がっていくことをさし、日本国内では「バズる」と呼ばれているマーケティング手法です。YouTube、Twitter、Instagram、Facebookなどで、衝撃的なことや驚くことなどテキストや動画を投稿して拡散させることを狙ったやり方です。
Webマーケティングでは企業から一方的に広告を打たなくても、ユーザーに響くものならユーザー同士が広げる拡散があることが特徴です。この特性を生かして、低コストで広告を制作することも可能となります。
アメリカで人気のSNSランキング5選
アメリカで人気のSNSランキング上位には、アメリカ発のSNSが利用されているのが特徴です。具体的にどのSNSの利用者が高いのか見ていきましょう。
参考:DIGITAL 2020: THE UNITED STATES OF AMERICA
https://datareportal.com/reports/digital-2020-united-states-of-america
- 1位:YouTube(79%)
- 2位:Facebook(74%)
- 3位:Facebook Messenger(55%)
- 4位:Instagram(52%)
- 5位:Twitter(40%)
1位:YouTube
音楽、バラエティーチャンネル、ニュースなどあらゆるチャンネルの動画投稿サービスの「YouTube」が第1位を誇っています。小さな子供用、学生、社会人、リタイアした人まで幅広く楽しめる動画作成代行が揃っているため、年齢層の幅が最も高いSNSと言えます。
年齢、性別、住んでいる地域、検索し再生した動画に関連などによって、広告配信者を絞り込むことができます。さらにその広告に興味を持った人はリンク先の自社サイトやECサイトなどに誘導できるため、マスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)と違って効果的な広告媒体となっています。
フォロワー数が数十万人、数百万人、数千万人抱えるユーチューバーに自社商品やサービスを動画内で宣伝してもらい、ある程度確立されたフォロワーの属性に一気に配信することも可能です。
2位:Facebook
第2位に人気があるSNSは「Facebook」です。他のSNSと違って基本的に本名で登録する仕組みとなっているため、リアルで繋がっている友人や家族・会社関係などが、テキスト・画像・動画で交流を持つコミュニケーションサービスです。元々は大学生同士が交流を図るツールとしてサービスは開始されましたが、今では個人向けの大人、企業がアカウントを持ち配信するものとして、世界中へ広がっていきました。自分が投稿したものや気に入ったものを共有することで拡散され、世界中の人に情報を発信することが可能です。
3位:Facebook Messenger
第3位は「Facebook Messenger」です。Facebookとは大きく異なるのは、個人間やグループ間でのやり取りをするためのテキスト・スタンプ・写真・動画・ボイスメッセージが送れることです。またメッセージを送るだけでなく、最大50人との通話、最大6人までのビデオ通話が楽しめます。いずれもFacebook Messengerアプリ内のやり取りは、公開されることがないため個人情報や位置情報を共有することが可能です。
メッセージリクエストを行えば、友達になっていない人(フォロワー)でもメッセージのやり取りが可能なため、企業や店舗でのお客様からの問い合わせやその他連絡を取る手段としても利用できます。
4位:Instagram
利用率52%とおおよそ半分の人が利用するのは第4位を誇る「Instagram」です。Instagramは写真をメインに撮影し共有することに特化したSNSサービスです。Facebook傘下のため、連携機能を強く持っているのが特徴です。風景、旅の思い出、子供の成長記録、イラスト、料理、ファッションなど、趣味や普段の生活を切り取ったものが多く投稿されています。写真や動画を撮影し投稿へ進むと、フィルターやテキストを入れて加工する機能がついており、おしゃれに敏感な10代~40代の女性ユーザーが多く利用しています。
ビジネスアカウントで取り扱っている商品などの条件が揃えば、写真を投稿した画面から商品の説明や値段が記載されたページを表示し、集客や購入に誘導できる機能があります。自社サイトやECサイト以外からの流入が可能となり、新規顧客の獲得や売上アップが可能です。
5位:Twitter
第5位は利用率40%と下がりましたが、アメリカの有名人や大統領が利用するほど人気がある「Twitter」です。Twitterは英語で「さえずり」や「つぶやき」を意味しているため全角140字までの制限があり、テキストを投稿できるSNSです。その他に画像・動画・URLの共有が可能です。
投稿・拡散までの情報スピードが速いことから、ニュースメディアに近いとも言えます。ただアメリカの場合は特にこれを上手く利用して偽の情報を発信し、ユーザーを信じ込ませるフェイクニュースが大きな問題となっています。最新情報を簡単に手に入れられる分、経済や人命にまで影響を及び世界まで狂わせるデマが日々拡散されています。
アメリカのWebマーケティングで成功させる3つのポイント
アメリカでさまざまな手法を使ってWebマーケティングを行う際に、気を付けておくべきことが4つあります。具体的にどんなことに気を付ければいいのか紹介していきます。
ポイント①ユーザーの属性や嗜好を把握した上で、ネイティブ言語で発信する
アメリカ人向けの情報発信には、ただ単に言語力や文法力に優れた英語で配信すればいいというのでは、ユーザーにうまく響きません。ターゲットとする世代、文化、価値観、感性などによって表現力が大きく異なります。
企業によっては予算の関係上、費用がかからない無料の翻訳自動アプリや、格安翻訳会社に依頼することもあり多いでしょう。しかし単語や文法が不自然に変換されたり、まったく意味の分からないものになってしまったりすることもしばしばです。
一方で翻訳会社に依頼する場合は「英語の翻訳に対応」ということを気にするのではなく、どの国に特化しているのかに注目する必要があります。例えば英語圏と一言で言っても、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、フィリピンなど世界各国で用いられています。国によって単語の使い方や意味が微妙に違えば、普段使わない文章を見て違和感が残ってしまいます。
そのためターゲットとする人々はどの国の人種が多く住み、年齢や文化など属性をしっかり把握することが第一に必要な条件です。そしてターゲットに合ったネイティブ英語で商用目的にあった文章力あるライターもしくは企業へ依頼しましょう。
ポイント②アメリカで人気のインフルエンサーを起用する
先述したようにアメリカでは若年層のSNS利用率が非常に高いのが特徴です。企業が自社アカウントでユーザーに向けて情報発信していく際、これまでは女優や歌手などテレビなどに出演する有名人が当たり前でした。しかし近年ではフォロワー数が数百万人、数千万人いるインフルエンサーの影響力による効果は絶大です。ユーザーにとっては女優やタレントなどよりも親近感がわくことから、インフルエンサーを起用して、Web広告でのブランディング・認知度・集客・売上につなげていきましょう。
ポイント③ビジネスパートナーを探す
ビジネスを始める際、Webマーケティングを行う際には、最低限市場規模の調査、ニーズ調査、トレンド調査などは必要となります。自社で情報収集することも大切ですが、情報不足になってしまったり、文化や歴史的背景を把握していないことによって、分析ミスを起こしてしまう可能性もあります。
そのため市場調査、翻訳会社、Webマーケティングに精通したビジネスパートナーを見つけて、自社商品やサービスの魅力をより多くの人に配信できる優秀な企業を見つけていきましょう。
まとめ
この記事ではアメリカの「Webマーケティング事情」や「Webマーケティングで成功するためのコツ」について紹介していきました。アメリカのSNS人気ランキングはYouTube、Facebook、Instagramなどと日本でもお馴染みのアプリを利用している人が多くいます。既に開始されている5Gのさらなる普及と、5Gに合わせた新たな機能が追加されれば、また別のWebマーケティングがすぐに生まれるほどスピードあるのが特徴です。
そうなれば「どのWebマーケティングが効果的なのか」「どれを使えばいいのか」と悩むこともあるでしょう。そのため「自社ではどのような目的をもって情報を発信していきたいのか」「どのユーザーをターゲットにしたいのか」など具体的に分析して、集客や売上につなげていきましょう。
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