海外Webマーケティングで成功するための方法

海外でビジネスを成功へと導くためには、Webマーケティングをしっかり理解し運用していく必要があります。日本での成功体験や、海外進出している他社の成功例だけを頼りに進めていても、成功する確率は低く、無駄な作業になってしまうこともあります。

しかし「海外向けにはどのようなWebマーケティングを行っていけばいいのか」「失敗しないためには、何を行えばいいのか」よく分からないと悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は海外向けにビジネスを行う方や、既に行っているがうまく軌道に乗れていない方へ向けて「海外Webマーケティングの成功方法」について紹介していきます。

具体的には、

  • 海外Webマーケティングを行う理由とは何か
  • 海外Webマーケティングで成功させるための5つの対策
  • 世界SNS利用率ランキング
  • 海外Webマーケティングで成功へ繋げる3つの方法

について徹底解説していきます。越境EC、インバウンドビジネスなど行っている企業や自治体の方はぜひ参考にしてみてください。

海外Webマーケティングを行う理由とは何か

日本から海外進出する業界は製造業や卸売業、IT開発、物流業、メーカ、サービス業などさまざまあります。IT業界以外のようにWebやデジタルに関わることが少ない業界では「Webマーケティングは関係ない」と考えがちですが、今やオフラインの業界でさえもWebマーケティングの重要さに気づく企業も増えてきました。社内外でWebやデジタルを強化することで本業とは異なるからこそ、他社と差別化することも可能です。

今回は多くの業界の中から「越境ECビジネス」と「インバウンドビジネス」の場合を例に、海外Webマーケティングを行うメリットを紹介していきます。

そもそも海外Webマーケティングとは

まず海外Webマーケティングについて簡単に紹介します。海外Webマーケティングとはインターネット上にあるWebサイトやアプリなどで、商品やサービス営業を行わずとしても海外で売り上げをあげるための仕組み、調査、戦略などを作り出す全てのことを言います。

日本のインターネット利用状況は商用利用が開始されて以降2016年頃まで緩やかな増加となっていましたが、徐々に減少気味となっています。これは日本の人口に関わることで2020年時点の人口は1億2806万人ほどですが、少子高齢化・人口減少によって将来的に減少していき、2030年には1億1,913万人、2055年には9,744万人と1億人をきると総務省が予測発表しています。

つまり日本国内でリアル店舗とWebサイト、またはWeb上のみで日本国内向けに販売を行うのではなく、海外に視点を広げてビジネスを行っていくことで、より多くの人に自社商品やサービスを知ってもらい、市場開拓、売上・利益拡大の可能性があることで海外進出する企業は増加しています。

越境ECビジネスの場合

先ほども述べたように日本の総人口は減少傾向にあるため、日本国内でEコマースを行っている企業は、越境ECに力を入れていくべきと言えます。

越境EC事業者が海外Webマーケティングを行うべき理由のまず1つ目に、日本と比べて消費額や頻度が高い傾向にあることです。世界全体で越境ECの市場規模を見てみると、2014年には2,330億米ドル、3年後の2017年には2倍以上の5,300億米ドル、さらに2019年には3.5倍の8,260億米ドルと拡大しています。日本の年間市場規模は1,093億米ドルですが、世界で最も大きい市場である中国は日本の約13倍で15,267億米ドル、次いでアメリカは約5倍の5,232億米ドルです。(2018年時点)

さらに今後個人の消費額が増加していくと見込まれているのが、東南アジアです。東南アジアは近年人件費が大きく跳ね上がるほど賃金や物価が上昇し、経済的にも余裕が出てくれば消費額も上がってくると予想されます。

2つ目の理由として、東南アジアやアフリカなどの発展途上国でインターネットやWi-Fiのインフラも整ってきたことや安価なスマートフォンやタブレットを手に入れることができたことによって、インターネット利用者が増加していることです。購入先現地に行かなくても越境ECによってどこからでも購入できることから、日本製品を含めて海外製品の需要は高まっています。

参考:平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

インバウンドビジネスの場合

訪日外国人旅行者をターゲットとしたインバウントビジネスを行う事業者の場合、海外Webマーケティングを行うことでより多くの訪日外国人旅行者を集客することができます。旅行者の旅マエや旅ナカでの情報収集は、旅行ガイドブック、テレビ、雑誌、知人・友人からなどさまざまですが、その中でもインターネット(スマートフォン/パソコンん)を利用した情報収集が増加しています。国・地域で見ても特に旅ナカではマップや観光スポットなどインターネット(スマートフォン)を利用している人が多くいます。

出典:JTB総合研究所「訪日外国人旅行者の概況と訪日中の情報収集について」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000392012.pdf

Webマーケティングには「どこで販売している」「こんな商品やサービスがある」といったことを知ってもらうための活動を行います。つまり「日本で・現地のみでしか購入できない物」や「ここでしか受けられないサービス」など自社の魅力をインターネット上でアピールすることで、多くの人がン歩手や施設へ訪れるきっかけとなります。さらに話題性や写真映えなどするようであれば、旅行者が利用するSNSでの情報を発信・拡散をしてくれることもあるでしょう。

訪日旅行者にとって困ることの中で無料Wi-Fi、目的地までの公共交通経路、クレジットカードやキャッシュレス対応可能か否かといった細かな情報も一緒に発信していくことで、安心して過ごせる場所と認識してもらうことも可能です。

海外Webマーケティングで成功させるための4つの対策

Webマーケティングの手法にはさまざまあり、コストや効果も大きく変わります。今回は代表的な手法である「SEO対策」「リスティング広告」「SNS運用」「モバイルマーケティング」の4つを解説していきます。

対策①SEO対策

Webサイトでコンテンツをより多くの人に見てもらうためには、SEO対策は欠かせません。SEO対策とはGoogleやYahooなどの検索エンジンで検索した結果、自社サイトを上位表示させて目立たせることです。

Internet Marketing Ninjas社が公開しているデータでは、Google検索結果の場合のクリック率は1位21.12%、2位になると約半分の10.65%と大きな差が出ると言われています。さらに3位は7.57%、8位以降になると1.7%以下と極端に減ることから、検索結果1位を獲得するということはとても重要なことと言えます。

上位表示させるためには「検索アルゴリズム」「ユーザーが求める良いコンテンツであるか」「検索されるキーワードを正しく使っているか」「興味を惹くようなタイトル」などさまざまな方策があります。検索結果が1位2位と上位だったとしても、検索エンジンのアップデートによって順位が大きく変わる可能性があることから、その都度対策を取っていくことが必要です。

対策②リスティング広告

リスティング広告とは検索エンジンで上位表示されたコンテンツより、さらに上に表示される広告ページにあるため、検索結果上位のように自社サイトを露出させることが可能です。検索連動型広告とも呼ばれています。

リスティング広告で広告を載せるためには、自ら広告単価を設定し運用することができ、ユーザーがクリックした分広告費が請求される仕組みです。検索キーワードを設定してユーザーを絞ることができることや、単価の設定ができることから、予算内で少ない金額から始めることができます。

対策③SNS運用

SNSを用いて情報を発信するマーケティング方法です。近年では企業がSNSアカウントを持ち情報発信していくことは当たり前となり、自社商品やサービスをSNSで発信していけば認知度・アクセス数・購入率を上げることが可能です。

SNSによってテキストをメインに投稿・閲覧するもの、画像メイン、動画メインというようにそれぞれ特徴があり、ユーザーの性別、年齢層、職業など属性が異なります。そのためSNSのアクティブユーザー数だけでSNSを選ぶのではなく、自社商品やサービスのターゲットに合わせて情報を発信していくことが効果的です。

対策④モバイルマーケティング

パソコンでインターネットを使うより、スマートフォンの所有数・データ使用量の割合が増加していることで、スマートフォンファーストの時代がやってきていることです。国・地域によってはインフラが整っていなかったことや、手頃で手に入れられるスマートフォンが販売されてきたことなど理由は多々あります。

これまでインターネットを利用するためには、パソコンとスマートフォンを使った割合がほぼ同じでした。しかし携帯電話からスマートフォンに切り替わり、検索、コミュニケーションとしてのメールやSNSアプリ、ゲームなどと多種多様な使い方ができるようになったことも利用者増加の要因となっています。

総務省情報通信政策研究所が調べた調査によると、1日に利用するインターネットは平成24年でパソコンとスマートフォンの利用時間がほぼ横ばいでした。しかし平成30年になるとパソコン利用時間はこれまでと変わらないものの、スマートフォンの利用時間は2倍となっており、さらに平日より休日の方がスマートフォン利用時間は大きく増加しています。日本だけでなく、海外でも同じことが言えます。

パソコンやタブレットは画面が大きいため仕事での作業や料理のレシピ閲覧にはぴったりですが、時間や場所を問わず利用できるスマートフォンはコミュニケーションツールとしてもショッピングにまで片手で操作できる便利さです。Webマーケティングを行うなら先ほど述べたSEO対策・リスティング広告・SNS運用に合わせて、「アプリ」「QRコード」「iBeacon」「映像」などスマートフォンでできることを増やしていくとよいでしょう。

参考:総務省情報通信政策研究所「平成 30 年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000644168.pdf

参考:経済産業省商務情報政策局「コンテンツの時代」研究会世界のコンテンツ市場の現状と展望に関する調査」
https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190426006/20190426006-3.pdf

世界SNS利用率ランキング

全世界では76億7,600万人の人が暮らし、その内インターネットユーザーは43億8800万人、SNSを利用しているユーザーは全体の45%である34億8400万人となっています。SNSユーザーの利用者数は毎年10%以上増加率、利用時間は2014年から2019年で約2倍とどちらも増加傾向にあり、まだまだ伸びしろがあると言えます。

また利用者性別はどの年代を見ても女性より男性の方の割合が高く、18歳~34歳の若者層の利用者が最も多くなっています。それではSNSユーザー34億人を対象に、どのSNSがもっとも使われているかWe Are Socialの調査をまとめました。利用率ランキング1位から見ていきます。

参考:DIGITAL 2019:GLOBAL DIGITAL OVERVIEW
https://datareportal.com/reports/digital-2019-global-digital-overview

  • 1位:Facebook 24億9,800万人
  • 2位:YouTube  20億人
  • 3位:WhatsApp 15億人
  • 4位:WeChat  11億6,500万人
  • 5位:Instagram 10億人
  • 6位:TikTok  8億人
  • 7位:Linkedin 6億7,500万人

第1位:Facebook

FacebookはSNSの中で最も多い利用者数(24億9,800万人)を持つSNSです。SNSというものはハンドルネームを使うのが一般的でしたが、Facebookは実名登録が基本です。そのため友人や会社仲間もしくは、コミュニティー参加で繋がりを広げていくものです。

元々Facebookは大学生同士を繋げるために2004年に開始されたサービスから、2006年には13歳以上で年配者まで幅広い世代の人が利用できるようになっています。個人の繋がりだけでなく企業や飲食店、施設などのビジネス用や著名人のアカウントも多く存在します。

投稿できるのは主に文章で、画像・動画・URLも合わせて投稿・閲覧すること、誕生日や婚約したことを個人登録(表示)している場合は、相手にお祝いのメッセージを送ることも可能です。家族や兄弟は誰か、好きな映画は何かなどプライベートな投稿がほとんどです。

全世界のFacebook利用人口は2014年では11億8,900万人だったものの、2019年には約2倍の22億7,100万人と大きく伸びています。その内利用者数の最も多い国はインド(3億人)、続いてアメリカ(2億1,000万人)、ブラジル(1億3,000万人)、インドネシア(1億3,000万人)、メキシコ(8,600万人)の順となっています。

第2位:YouTube

Facebookの次に利用者数(19億人)を持つのがYouTubeです。YouTubeは動画を投稿と閲覧、動画投稿に対してのコメントを投稿と閲覧できるSNSです。動画のジャンルは「お笑い・バラエティー」「映画・ドラマ・ドキュメンタリー」「料理やファッションなどのハウトゥー」「ゲーム実況」「音楽」などあるため、視聴層も子供からお年寄りまで幅広いのが特徴です。

これまで何かを検索する時は、GoogleやYahooなどの検索エンジンを使い文字で情報を仕入れるのが一般的でした。しかし文字の5,000倍の情報量があると言われる動画で検索する人が増加し、近年Google検索でYouTubeコンテンツが上位表示されるようにもなりました。

第3位:WhatsApp

世界で3番目にSNSの利用者数(15億人)が多いのがWhatsAppです。WhatsAppは日本人がコミュニケーションツールとして使うLINEとほぼ同じ機能で、チャットメッセージ、スタンプ、写真・動画の送信、通話・ビデオ通話、ボイスメッセージなどがあります。LINEよりシンプルな機能なため、スタンプの数が少なく、タイムライン機能やゲーム・ニュースコンテンツはないのが特徴です。

第4位:WeChat

世界で4番目に利用されているSNSはWeChat(13億人)です。中国はインターネット規制があるためLineやFacebookなど世界的SNSを利用することができません。その代わりにメッセージアプリとして、中国人の約9割もの人が利用しているのが、中国版LineのWeChatです。WeChatは微信とも呼ばれ、中国の大手IT企業が運営しています。

中国ではお年玉のようなお金を贈る「紅包」という独特な文化があります。キャッシュレス化が進む中国ではレストラン、公共料金、タクシー、ショッピングなどの支払いに現金を使うのではなく、「WeChat Pay」とSNSを通したお金のやり取りが一般的です。ビジネスの場面でも名刺交換のようにアカウントIDを交換することが多く、ビジネスから普段の生活まで、欠かせないSNSと言えます。

第5位:Instagram

Instagramは世界で10億人に利用されている写真や動画を投稿・閲覧に特化したSNSアプリです。他のSNSは友人や知人など既にフォロワーになっている人同士やその友達までが写真・動画・テキストを投稿・閲覧し合えるのに対して、Instagramは検索キーワードであるハッシュタグで拡散力が高くなるため、世界中の人まで届けることができるのが大きな特徴です。

20代~40代の女性の比率が高く、撮影方法や画像の加工によってインスタ映えのおしゃれな写真が多く投稿されています。ショッピング機能という機能を使うことで、投稿した写真ページから自社の商品購入ページへリンクを飛ばすことが可能で、ECショップなどを行っている企業におすすめのサービスです。

海外Webマーケティングで成功へ繋げる3つの方法

扱っている商品やサービス、業種業態が異なれば、Webマーケティングの方法も大きく異なることから、一概にこれを行えば必ず成功するというのは言えません。しかしどの手法を行うにせよ最低限覚えておくべきことがあります。それを3つ紹介していきます。

成功方法①調査を徹底して行う

海外だけにかぎらず日本国内においても、Webマーケティングを行うには調査を徹底する必要があります。海外をターゲットにマーケティングを行う場合、「市場調査」「ニーズ調査」「競合調査」「価格調査」「トレンド調査」など数多くの調査によって、Webマーケティングの効果を最大化へと繋げることが可能です。

ターゲットとする国・地域・性別・年代・職業など属性を絞っていくと、彼らはどのような生活習慣を送り、どのようなことに興味があり、時間やお金を何に消費するのかなど分かっていくはずです。日本でこの国で人気・売れているからという大雑把な結果だけ見ず、自社に合ったターゲットにすり合わせて適したWebマーケティングを行いましょう。

成功方法②現地の文化や習慣を理解する

国・地域が異なれば、生活習慣、文化、価値観、宗教、嗜好性など大きく異なります。同じ英語圏だとしても国・地域によっては使っている言葉や好まれるニュアンスなども違うため、商品名や説明文を変えることも必要です。これもまた調査を行った中で分かってくることもあるため、言語の調査というのも合わせて徹底を行いましょう。

成功方法③信頼できるパートナー企業を探す

自社のみで海外進出する企業は少ないため、各専門分野に強く自社の目的やゴールに合ったパートナー企業を探すことが大切です。例えばターゲットに響く言葉で発信していくためには翻訳が必要ですが、日本語をただ翻訳しても違和感が残る文章になってしまうこともあります。日本語でもコピーライティングのように消費者に響くような言葉を使うように、魅力的な言葉かつ、SEO対策などWeb上で多くの人に情報が届くための方策を立てていくことがWebマーケティングには必要不可欠と言えます。

まとめ

この記事ではこれから今回は海外向けにビジネスを行う方に向けて「海外Webマーケティングの成功方法」について解説しました。

Webマーケティングの手法は数多くありますが、自社で扱っている商品やターゲットに合わせた方法で対策をとっていくことが大切です。そしてSNS運用を行う際ももちろんターゲット層が最も利用しているSNSを利用することはもちろん必要なことです。しかしSNSによってはテキスト・画像・動画・音声のどれをメインとしているのか、拡散力の強さ、SNSの連携有無など機能や特徴を十分に理解しておくことが大切です。

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